表彰、イコン、ヒエログリフ、紋章
40.『著名人の図像』(リヨン、1559年)

 

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   16世紀に数多くのエンブレムや紋章の本を著したメヌストリエによると、イメージを利用するという意味では、肖像も、エンブレム、紋章、標章、ヒエログリフ、象徴、貨幣のデザインなどと共通しているが、肖像は事象の正確な描写を目指すもので比喩性はないとされる。パラダンの『英雄の意匠』(no.34)やアルチャーティの『エンブレム集』を刊行したリヨンのジャン・ド・トゥルネ(Jean de Tournes)が印行した本書は、ホメロス[1]、ウェルギリウス[2]、イソップ、ラクタンティウス[3]、プルタルコス[4]など、古典古代の代表的著述家を中心とした肖像集である。貨幣やメダルのデザインに似た横顔の肖像に、ラテン語による伝記や著作の紹介が添えられている。同じ肖像集でも、テオドール・ド・ベーズの『イコネス』(no.41)のような、宗教改革の立て役者を中心とした同時代性が強いものとは異なり、人文主義的興味に裏打ちされたものであると言えるであろう。

 

     

 

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