Graduate Seminar in Theatre Studies at Keio University

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ポスト基礎づけ主義と演劇、あるいはシアトロクラシーの可能性

 

科研プロジェクト「シアトロクラシーとデモクラシーの交差」の主催により、学習院大学法学部教授・玉手慎太郎先生を講演会にお招きし、政治理論と演劇性に関するzoom講演会を開催いたします。 講演では、「ポスト基礎づけ主義」という政治理論の視点から、絶対的な根拠を欠く政治の側面が演劇的な虚構性と交差する点についてお話しいただきます。 玉手先生の講演の後、参加者と意見交換を行う予定です。 参加をご希望の方は以下の連絡先にメールにてご連絡くださいますようお願い申し上げます。zoomアクセス情報をお伝えいたします。

 

講演概要

本講演の目的は、ポスト基礎づけ主義という政治的態度が演劇およびシアトロクラシーをめぐる議論といかにして接続されうるかを検討することにある。 ポスト基礎づけ主義とは、現代においては確実なものとして共有される規範がすでに喪失したことを認めつつ、安易な相対主義や多元主義に陥らずに新たな規範を提示する方法を検討するものである。 ポスト基礎づけ主義の一つの要点は、私たちが規範の絶対性を、疑いつつも同時に信じようとしないではいられないということである。 このような二重性は、いささかの発想の飛躍を承知で言えば、演劇における虚構と事実の二重性に類似している。私たちは演劇において、それが虚構であることをはっきり自覚しつつ、その虚構の中に寄って立つべき真実を見出すことができる。 この二重性を積極的に評価し、デモクラシーへと接続することはできないだろうか。以上のようなポスト基礎づけ主義の観点からの議論は、現代における演劇およびシアトロクラシーの意義をめぐる問いに、新しい視点をもたらすものであると期待される。

 


講師: 玉手 慎太郎氏(学習院大学法学部教授)
司会: 平田 栄一朗(慶應義塾大学文学部教授)
日時: 2021年10月2日(土) 14:00 ~ 15:30
会場: zoomによる
主催: 科研プロジェクト「シアトロクラシーとデモクラシーの交差 演劇性と政治性の領域横断研究」

*参加ご希望の方は9月30日までに以下の宛先にメールにてお知らせください。zoomアクセス情報をお知らせいたします。
宛先: 平田栄一朗 【hirata(at)keio.ac.jp】 (atを@に変換してください)