第6章  付録  神楽囃子

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  神楽の後半部になって出る神楽囃子(せり歌)は、男女掛け合いでも行なわれた。神楽の場は男女の交際の場でもあり、掛け合い囃子を通じて仲良くなることもあった。主な神楽囃子は以下の通りである。



  とこさいとこ      よやさのさ        銀鏡まつりにゃ    出てごじゃれ

  さまはさんやの    三日月さまよ      宵にちらりと      見たばかり

  さんやさまでも    時日がたてば      いつか十五夜      まるくなる

  わたしとあなたは  なる仲なれど      親がやらねば      なりやならぬ

  そうはおしゃるな  蜜柑の接木        今はならねど      末はなる

  好いて好かれて    行くのが縁で      親のやるのが      義理の縁

  義理の縁でも      行かねばならぬ    それが世間の      義理ならば

  思いきらんせ      男の胸で          鉄のくさりも      切りゃ切れる

  俺が歌うたら      向かいからつけた  むかしゃちこうた  仲じゃもの

  逢うて帰れば      千里も一里        逢はず帰れば      また千里

  こよい逢うたが    またいつあおう    またの逢う日を    まつばかり

  かぐら出せ出せ    まだ夜は夜中      かぐら出さねば    よめじょだせ

  こよい一夜は      おゆるしなされ    どこの御殿も      奥方も

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