木版・銅版の挿絵本 | |||
85.トマーゾ・ガルツォーニ『普遍的な広場』(フランクフルト、1641年) | |||
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Tomaso Garzoni, Piazza universale | ||
原典はイタリア語の『全世界の職業の普遍的な広場』(Piazza universale di tutte le professioni del mondo. Venezia, 1585)で、本書はそのドイツ語版だが、出版者で版画家でもあったマテウス・メリアン(Matthaeus Merian)による若干の追加がある。本書は16世紀のさまざまな職業を木版画とともに紹介するもので、ハンス・ザックスの『西洋職人づくし』(no.83)に似ていると言える。実際、145点の版画のうち、大半は『西洋職人づくし』の版画を担当したヨースト・アマンの作であり、100点以上が最初に『西洋職人づくし』で使用されたものの再利用である。またハルトマン・ショッパーの『あらゆる実用的技術あるいは職人芸に関する本』(no.84)で最初に使用されたものも11点含まれている。数多くの職業のなかには、地図の印刷 [1]や書物の印刷[2]など書物生産に関連が深い場面が描かれている。後者は『西洋職人づくし』と同じ図柄である。 |
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