博物学
81.コンラート・ゲスナー『動物誌』

(ハイデルベルク、1606年 / フランクフルト、1598年 / チューリッヒ、1599年)

 

Conrad Gesner, Thierbuch syoshi.jpg (1610 バイト)

   ゲスナーの『動物誌』のドイツ語版で、「四足動物」、「鳥類」、「魚類」、「ヘビ類」とサソリに関する補遺からなっている。ラテン語初版と同じく数多くの木版画が含まれているが、作者として、チューリッヒのガラス絵師として知られていたJohannes Thomann (1525-67)の名前があがることがあるが、確証はない。本書は木版画に同時代の画家が直接手彩色をほどこした、極めて貴重な一冊である。動物、鳥類、魚類を問わず実物に忠実に彫られた図版が多いが、彩色も極めて正確である[1]。しかしそのなかで、鯨に関する図版は、聖書に登場するレビヤタンを彷彿とさせるようなファンタスティックなもので、異彩を放っている。鯨の図版[2],[3]はラテン語版(no.80)とは若干レイアウトが異なるが基本的に同じもので、小型の'orca'(ドイツ語版ではBraunfisch = ネズミイルカ)を従えた巨大な足をもった大トカゲのような鯨が、帆船を襲ったり、また逆に解体される場面が描かれている。

 

ゲスナー『動物誌』の他の版: no. 80

 

『グーテンベルク』, 35;『理性の夢』, 85

 

     

 

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