博物学
76.アタナシウス・キルヒャー『地下世界』(アムステルダム、1678年)

 

Athanasius Kircher, Mundus subterraneus syoshi.jpg (1610 バイト)

   イエズス会士で、今日でいうならば数学、哲学、物理学、天文学、言語学、地質学、医学、聖書学、博物学などの多分野で専門的な著作を数多く残したキルヒャーは、しばしばダビンチと並び称されるほどの人物である。キルヒャーはまた、古代のさまざまな遺物をはじめ、2体の完全なエジプトのミイラ、バビロニアの粘土板、貝殻、世界中の靴のコレクションなどを所有しており、ローマの自宅でMuseum Kircherianumと称して訪問者に公開していた。

   本書(初版は1665)は、挿絵に描かれている1630年のエトナ山の噴火が契機となって誕生した[1]。キルヒャーはプリーニウスのひそみにならって噴火口へと下りて詳しく観察したと言われている。この地球物理学と火山学の西洋最初の著作において、キルヒャーは、鉱物の生成を含む地球上の現象の多くは陸地(terra firma)の地下に燃えている火によって説明されるという、当時としては珍しい説を主張しており、見事な銅版の見開き図版によってそれを説明している[2]

 

キルヒャーの他の著作: no.77

その他の画像 : [3]

『理性の夢』, 31

 

     

 

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