近代史・政治 | |||
72.ロバート・グローヴァー『国家あるいは都市の貴族』(ロンドン、1608年) | |||
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Robert Glover, Nobilitas politica vel civilis | ||
エリザベス朝を代表するヘラルド(紋章官)で系図学者のロバート・グローヴァーは、ウィリアム・キャムデン(William Camden)のイギリスの地誌『ブリタニア』(Britannia, 1586)の執筆にも協力した他、トマス・スペイト(Thomas Speght)のチョーサー全集(no.57)に含まれるチョーサーの系図を作成した。また生前に収集した膨大な古文書のコレクションの一部は、17世紀にウィリアム・ダグデイル(William Dugdale)が『イングランドの貴族』(The Baronage of England, 1676)のなかで公刊している。ダグデイルは、16世紀の好古家や歴史家のなかでは、キャムデンと並んでグローヴァーに最大級の賛辞を与えている。しかしグローヴァーは生前に自分の系図学の研究成果を発表することはなく、本書は甥のThomas Millesが編纂したものである。ヘラルドは儀典担当官でもあったが、エリザベス女王[1]、プリンス・オヴ・ウェールズ、ガーター勲爵士団の正装[2]などを描いた9枚の銅版画を含む。 |
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