ヨーロッパ文学
54.ダンテ・アリギエリ『神曲』(ヴェネツィア、1520年)

 

Dante Alighieri, Opere syoshi.jpg (1610 バイト)

   クリストフォロ・ランディーノの注釈付きの『神曲』で、ヴェネツィアのBernardino Ferrari Giolitoによる印行である。本書はブレシア版(no.53)より一回り小さくなっているが、ページのレイアウトは基本的に変わっていない。ただしページのサイズが小さい分だけ、限られたスペースに木版による欄外装飾や小型木版画が押し込まれ、窮屈な印象を与えている[1]。テクストを注解が取り囲むこうしたレイアウトは、基本的に中世の神学や法学の注解書の形式を踏襲しているもので、インキュナビュラの時代を過ぎて書物のサイズが小型化する一方で、中世以来の注解書のレイアウトが踏襲されていることは興味深い。

「地獄篇」第1歌の挿絵はブレシア版とほぼ同じ場面を描いているが[2]、ジョリートの後継者が印行したと思われる1536年版(no.55)にも使用されている。

 

ダンテ『神曲』の他の版:nos. 53, 55

 

     

 

  home_j.jpg (7036 バイト) sakuin.jpg (6924 バイト) tyosya.jpg (7414 バイト) syudai.jpg (7312 バイト) syuppan.jpg (7687 バイト) Englishpage_botin.jpg (7141 バイト)