エンブレム・ブック
11. ヨハネス・サンブクス『エンブレマータ』(アントウェルペン、1566年)

ハドリアヌス・ユニウス『エンブレマータ』(アントウェルペン、1575年)

 

Johannes Sambucus, Emblemata / Hadrianus Junius, Emblemata syoshi.jpg (1610 バイト)

   ハンガリー出身の人文学者ヨハネス・サンブクスによるエンブレム・ブックで、ラテン語による初版は1564年に、クリストファー・プランタンから刊行されている。本書は、Marcus Antonius Gillis van Diestによるオランダ語訳の初版で、ユニウスの『エンブレマータ』のオランダ語訳の第2版(初版は1567年)と合冊になっている。2冊ともゴシック体活字で印刷されており、サンブクスの木版画は、ゲントの画家Lucas d'HeereP. Huysのデザインに基づき、ユニウスも担当したArnold NicolaiGerard Janssen van Kampenなどが版刻している。サンブクスのエンブレム・ブックは、イギリスのジェフリー・ホイットニー(Geffrey Whitney)、ヘンリー・ピーチャム(Henry Peacham)等のエンブレム・ブックのモデルとなったが、ラテン語版が国際的に流通したのに対してオランダ語版はあまり売れなかったらしく、本書が唯一の版である。

   「書物を読むだけでなく利用することが人を賢くする」という題辞のエンブレム[1]は、ホイットニーの『エンブレム集』でも同じ挿絵を伴って登場している。「文法、弁証法、修辞学、歴史学の仲違い」[2]のように、人文主義的な機知を含んだエンブレムの存在も本書の特徴である。

 

ユニウス『エンブレマータ』の他の版: no.10

 

     

 

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