VI. 庶民と祈り

最初のページ	村山智順について	写真の性格	まとめ
	I. 日常生活	II.子の生長と結婚	III.農とあそび
		IV.死と葬礼	V.生活のなかの鬼神

	118. ムーダン(1)
	119. ムーダン(2)
	120. ムーダン(3)
	121. 済州島の神房
	122. クッ。踏刃舞の一場面。開城。

	123. クッの楽士
	124. 済州島のクッ　済州島の海辺の神堂は、この図のように、石囲いの空間であることが多い。李中春（イジュンチュン）神房によると、北済州郡のどこかの竜王迎え（ヨワンマジ）クッの一場面で、これは実際の祭儀であろうという262）。この写真は『朝鮮の巫覡』に「野祭（済州）」として掲載されている263）。【餌】（２００１年４月３０日追記）
	125. 済州島の個人クッ。
	126. 平安南道のムーダン
	127. 雨乞い。慶州の巫女たちによる雨乞い。川辺に祭壇を設け、龍の絵や船などを準備し踊りを踊った。

	128. 羅州の神庁
	129. 江原道江陵の別神クッ。
	130. 別神クッ(2)
	131. 江原道江陵の別神クッに用いられた祭物
	132. 子授けの岩(1)。ソウル仁旺山にある夫婦岩。

	133. 子授けの岩(2)。京畿道高陽郡恩平面付巌里。
	134. 子授けの石仏。京畿道開城大聖面旧邑里の弥勒仏。これに子を祈る。
	135. 四月八日の観燈（１）　村山によると、四月八日の晩は燈夕といって夕刻、各イエで紙で作った灯籠に火を点じる。そして男女は競って高いところにのぼり、ながめる。これを観燈という。開城が本場であったが、今では京城でもさかんにおこなわれている125）。この写真は『朝鮮の習俗』に「観燈」として掲載されている126）。【朝鮮風習42　観燈　一四　、年行　六八ページ上】（２００１年４月３０日追記）
	136. 四月八日の観燈（２）京畿道開城の四月八日。数多くの灯籠が吊されている。【四月八日、燈夕、開城】（２００１年４月３０日追記）
	137. 長(1)

	138. 長(2)。天下大将軍。
	139. 長(3)
	140. 長(4)
	141. 禾竿（ナッカリデ）　南部では、正月十五日にペッカリという竿を立てる（巨済島附近では正月十四日夕、蔚山では十五日早朝、忠南唐津でも十五日早朝）、竿の上部には藁苞を結びつけ、その上に幣竹笹などを下げ、その下には左綯いの縄に「藁の根元の方を、所々出したもの」をつける。これは稲の象徴である。二月一日に全部取り外す。豊作の祈りで、京城付近でもかつてはあった94）。写真では頂に藁苞のようなものがみえる。【梱猿軒 (禾竿)　蔚山　11ﾉ一】（２００１年４月３０日追記）
	142. 天然痘よけ(1)。ムラの入口に立てられた、天然痘除けの木。

	143. 天然痘よけ(2)。ムラの入口に立てられた、天然痘除けの木。
	144. 茂朱のヨンドゥン婆さん迎え。全羅北道茂朱のヨンドゥン婆さん迎えの祭壇。木の股の上に壺を置く
	145. 慶尚道尚州（サンジュ）の洞神木　この写真は京城帝大民俗参考室所蔵写真である。【慶北、尚州　洞神木（民）】（２００１年４月３０日追記）
	146. 河回（ハフェ）の三神堂（サムシンダン）慶尚北道安東郡豊川（プンチョン）面河回洞（ハフェドン）の三神堂。河回は柳氏を中心とした両班村。三神婆さん（サムシンハルマン）は産神で、ケヤキの大木が神体である。三神婆さんは、ムラの女神（城隍任、15歳の時夫に死に分れてカミとなった）の姑に当たると信じられていて、別神（ピョルシン）クッのときなどには毎朝、丁重なもてなしを受けた（写真112,113参照）。三神は「この洞の創設当時からある部落神であるが、城隍任が来てから自分は洞神たる地位をこの嫁神に譲った」のだという22）。　三神堂に詣でて子を祈ることは朝鮮朝の時代にもよくみられたようである。『東国歳時記』には、忠清道鎮川の習俗をあげている。すなわち三月三日から四月八日にいたるまで、婦女たちが巫を連れて、牛潭の上（ほとり）の、東西竜王堂および三神堂にいき、祈子する。四方からくる女人は絡績として絶えない。またここにやってきて観る者もまるで市のごとくである。毎年このようである23）。また、巫女のクッとしてもよくおこなわれていたようで、京城付近およびその以北では「三神祭（クッ）」が、また南鮮地方では「帝王迎（マジ）」がもっとも広くおこなわれる祈子神事だという。そして「三神は産神（朝鮮では胎の音三と同じ）であり、帝王は天の玉皇上帝で、何れも人に生命を授くる神と信ぜられて居る」と村山は述べている24）。　朝鮮の民間で子授けとかかわる個人祭は以上のほかにもなお多々ある。たとえば、正月あるいは随時に主婦や巫女が主となっておこなう竜王祭の目的のひとつに祈子ということがある25）。また慶尚南道晋州地方では、山神に子を祈る。すなわち「正月十四日の暁に夫婦して山に上り、山神を祭って一睡もしなければ男児を生むが、しかし夫婦とも心身清浄」でなければならない26）。また、七星神に対して子を授かること、あるいは子の生長を祈るのも一般的である。全羅南道和順（ファースン）郡の千仏千塔（図版213以下参照）で名高い大草里の山中には七星岩（チルソンアム）があり、ここでは祈子、長寿などを祈っている27）。　このように、朝鮮の個人祭は何かと子供の誕生や生育と関係していたが、今日、朝鮮半島の陸地部では祈子のためのクッはほとんどみられない。この意味では以上の村山の記述は1930年代のひとつの証言として貴重だといえよう。　河回の三神堂の全体を撮した写真は『部落祭』に「洞神壇（三神）（慶北・安東・河回）」として掲載されている28）。【慶北安東河回、三神木、一部拡大】（２００１年４月３０日追記）
	147. 城隍堂の将軍神　虎に跨るのはふつうは山神だが、村山は将軍神とする。この写真は『部落祭』に「城隍堂内将軍神（咸南・安辺）」として掲載されている281）。【咸南　安辺　城隍堂内将軍神】（２００１年４月３０日追記）

	148. 「城隍堂の将軍神」 147と同じ地の図像。（２００１年４月３０日追記）
	149. 147と同じ。（２００１年４月３０日追記）
	150. 閣氏あそびの人形。女の子たちのやる閣氏あそびの人形。
	151. 徳物山上の崔塋（チェヨン）将軍と愛妾この写真は『朝鮮の巫覡』に「将軍堂神壇（開城徳物山）」として、また『朝鮮の鬼神』に「巫の勧請せる鬼神（彫像）」として掲載されている269）。【巫の勧請せる鬼神（彫像）】（２００１年４月３０日追記）
	152. 開城徳物山上の夫人堂左側が崔塋の夫人。秋葉隆によると、夫人堂が別にあるのは「生前その夫婦仲が良くなかったからであると云はれている」とのこと270）。崔塋という男神をまつる以前にこの山には女神がいて、これが「夫人」として隠然たる力を維持していたのだろうか。この写真は『朝鮮の巫覡』に「夫人堂神壇（開城徳物山）」として掲載されている271）。（２００１年４月３０日追記）

	153. ムーダンの勧請する鬼神彫刻
	154. 国師堂ソウル南山。
	155. ソナン堂と供物
	156. ソッテ(1)。市場を守るソッテ。慶尚南道郡北。
	157. 済州島のソッテ　これは済州市梨湖洞の防邪塔の上部のものであろう。この防邪塔はムラから西北の方（東シナ海方面）に向かって今日もなお存在している（参考図版参照）。【済州島涯月ヨリ翰林ニ入ル所ノ左側ニアリ　金陵里　（津村氏贈）】（２００１年４月３０日追記）
	158. ソッテ(3)
	159. 黄昏のソッテ。大田市内にあったソッテ。

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