3月23日の媽祖廟と広場の芸能

                                                        野村伸一


賢良天后宮の媽祖。南宋代のものという。


 媽祖の生誕
 伝承によると、媽祖(林黙)は927年3月23日(旧暦)、福建省の漁村賢良に生まれ、幼時より霊験を顕した。のち湄州島において未婚のうちに死んで昇天した。だが、そののち、地域住民により神としてまつられた。媽祖は航海神として船乗りの信仰を集め、さらに北宋末期には早くも地域、国家の神としてまつられた。
その信仰は福建にとどまらず、東シナ海周辺地域はもちろんのこと、さらに東南アジア以遠の地域にまで広がった。

 賢良の媽祖廟
 賢良の媽祖廟では近年、媽祖聖誕行事を盛大に催している。2008年は、遠近からの進香客がおよそ5千人に達した。これは年ごとに増えているという。対岸の湄洲島は、その倍の人数だろうという。市内文峰天后宮でも3月24日に慶祝行事があり、進香団が多数参集する。この前後、各地の天后廟で奉納演劇が催される。媽祖は今や中国沿海部の各地で確実に人びとのこころの拠り所となっている。

 映像
 媽祖廟内の道教儀礼。
 各地の進香団が芸能を披露する。車庫隊の一行。演者は模造の馬を身につける。日本の「ほにほろ」の源流だろう。

 
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