中国の踊る巫女―陳靖姑の跳舞

 『奶娘伝』の陳靖姑は観経するむすめから、巫女になった。雨乞いに力を尽くす。
民間伝承では、その途中で死んだともいう。
 『奶娘伝』の陳靖姑は死なずに、長坑鬼(映像中の背後の登場人物)と戦う。また、数々の精霊を制圧する女神としてえがかれる。
 陳靖姑は陳夫人として道教閭山派のなかに位置づけられた。けれどもその行儀は「踊る巫女」そのものである。
 今日、中国沿海部ではこうした踊る巫女はみいだしがたい。おそらく済州島の神房(巫覡)の神呼ばいにみられる跳舞はそれを受け継いだものだろう。

 映像「踊る巫女」(1分38秒)  2001年旧暦1月福建省寿寧県下房村衆聖宮