乳幼児から思春期の言語の獲得、社会認知能力の発達、それに伴う脳機能の発達について研究を行っています。
発達障害を予期する乳児期の特徴を発見すべく、新生児期からの脳機能や運動機能を含めた各種行動指標の縦断研究も行っています。

 

 

*主な研究テーマ*

ことばの発達

乳幼児から思春期の言語獲得について研究しています。特に乳幼児期の母音、子音や単語の獲得そして簡単な文法規則の学習についてその脳内機構を明らかにする調査を行っています。乳幼児や養育者の発話を録音して解析することで音声の発達についても取りくみ始めました。

社会性の発達

乳幼児から思春期の社会認知能力の発達について研究を行っています。円滑な対人関係を形成する上では、他者の信念や欲求、情動、意図の理解は必要不可欠です。当ラボでは、主に養育者とのどういうやりとりが、乳幼児の社会性の発達を促すのかについて研究を行っています。

知覚・感覚の発達

見る、聞くの視覚、聴覚の他にも、乳児になでるなどの触覚刺激を与えたり、お母さんに赤ちゃんの匂い成分(嗅覚刺激)を与えることでどのような行動や反応を示すかなど感覚・知覚の研究も様々な手法で行っています。

運動の発達

乳幼児期の運動の発達について研究を行っています。運動機能は言語の獲得や社会認知能力と密接に結びついています。当ラボでは、物をつまむなどの微細運動機能、そして、歩行などの粗大運動機能について、行動や脳活動といった様々な指標から検討しています。

定型非定型の発達

ことば、社会性、感覚・知覚、運動、これら4つの発達について、特に言語の獲得、社会認知能力に様々な発達過程があることを様々な研究手法で明らかにします。それぞれの乳児期初期の発達特徴がその後のコミュニケーション能力などにどのように関係するかを検討します。このために、新生児期からの脳機能や運動機能を含めた各種行動指標の縦断研究を行っています。

*研究手法*

脳計測

・NIRS
キャップについた光センサーで脳の活動に伴う血流変動量を安全に計測する手法です。キャップを装着して音を聞いたり、画像を見たりしている時の脳のどこがどの程度活動したかを検討します。
EEG 脳波計による計測
脳活動で生じる微弱な電気活動を計測する手法です。複数の脳波センサーのついたネット型の帽子をかぶってもらい計測を行います。

生理指標計測

心の状態の変化に伴い心拍や汗など人間の身体は様々な反応を示します。これら身体の生理的指標を計測します。例えば、心拍、皮膚から得られる電気信号、瞳孔の状態の計測などがあります。

視線計測

視線計測装置は、前方のカメラから非常に弱い光を照射しその反射を利用することで、視線の動きや瞳孔の大きさなどを調べることができます。使用する光は人体には無害であり、非常に弱い光を使用するので眩しさなどを感じることはありません。また、頭部を固定したり眼鏡を装着したりする必要もなく、子どもの場合には、基本的には保護者の方の膝の上に座った状態での計測となります。

運動計測

運動計測、モーションキャプチャ、キネクト、動画撮影による行動推定を行います。乳幼児から大人まで、その時々の研究テーマに沿った行動実験や観察を行い、ビデオコーディング分析等を行います。

行動実験

乳幼児の行動を観察することで乳幼児の好みや違いの理解などを評価する手法です。例えば遊びの様子のビデオ撮影,モニターの動画や画像の注視を観察する選好注視法などがあります。