皆川研究室ではさまざな研究プロジェクトを進めています。

人は生まれた環境に適応しながら社会的能力やコミュニケーション能力を獲得してゆきます。このような能力の獲得が著しい時期にある新生児・乳幼児について、脳の発達やそれにともなう言葉の聞き取り方、学習の仕方、また、人の顔・表情・動作の見方の変化等を明らかにするため、当ラボでは様々な調査・研究を行っています。ラボの詳細についてはこちらをご覧ください。

・関連研究プロジェクト : 新学術領域研究
発達初期の階層性学習の脳内基盤と発声の階層性構造, 基盤S

縦断研究

自閉スペクトラム症(ASD)を主とする発達障害のリスクを持つ乳児と定型発達児を対象として、新生児期や月齢3ヶ月から3歳までの脳機能、知覚・認知機能、運動機能を縦断的に計測するコホート研究を行っています。ASDリスク児(発達障害をもつお子さまを兄妹にもつ赤ちゃんや早産児として生まれた赤ちゃん)と定型児の発達過程を比較することで、言語やコミュニケーション能力の獲得における脳・認知・運動の機能発達の関係性、発達障害を予測する生理学的、行動学的因子の解明を目指しています。これら因子の解明は、自閉スペクトラム症を主とする発達障害の早期診断や予防的介入に役立つものと期待されています。

・関連研究プロジェクト : 基盤S
脳・認知・身体と言語コミュニケーションの発達 : 定型・非定型発達乳幼児コホート研究 

かつては白紙状態で生まれてくると思われていたヒト乳児ですが、脳科学の進歩と共に乳児の脳機能はこれまで考えられていた以上に発達していることが次々に明らかにされています。私たちの行った研究プロジェクトにより、未発達と考えられていた新生児の音声言語処理における前頭前野機能が比較的成熟していることや、特定の養育者の語りかけが乳児の言語や社会性の発達を促すことを脳科学的に示しました。詳しくはこちらへ

・関連研究プロジェクト : 新学術領域研究
発達初期の階層性学習の脳内基盤と発声の階層性構造, 基盤S

国が定める戦略目標の達成に向けて研究総括の運営の下、研究代表者が複数の共同研究グループを組織し実施するネットワーク型研究において共感的行動支援の研究を行っています。ソーシャル・シグナルを共有及び拡張する人間拡張技術、それに伴う神経基盤の理解、及び実証研究を通じて人々の意図伝達を拡張し、他者理解を助け、また共感的行動を支援することが可能であることを示すことを目指しています。詳しくはこちらへ

・関連研究プロジェクト:CREST
ソーシャル・シグナルの共有と拡張による共感的行動の支援

当研究室が培ってきた研究手法を応用し、産学連携に取り組んでいます。これまで大手メーカーを中心とした様々な企業と連携し、子供用玩具などの共同開発を行ってきました。主な連携先として、パイロットインキ株式会社、株式会社日立ハイテクノロジーズ、株式会社バンダイなどがあります。詳しくはこちらへ

本ゼミでは、音声言語や音楽などの聴覚研究を中心に、視覚、嗅覚、触覚などの知覚についてNIRSやアイカメラなど様々な方法を用いて研究を行っています。赤ちゃんラボにて、乳幼児・小児の言語獲得、社会認知能力の発達についての研究を行っておりますので、ゼミ生は、自ら乳幼児を対象にした脳機能実験や心理実験などを実際に行ってデータを収集しつつ、卒業研究を行うこともできます。

慶應義塾大学では平成27年度文部科学省戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受け、「コミュニケーション行動の生涯発達研究拠点」を設置致しました。この拠点は、生涯に渡るコミュニケーション行動の包括的理解をめざし、心理学・理工学・医学などによる分野横断的研究を行います。

研究に役立つツールの開発に取り組んでいます。皆川研究室では、NIRSを始め心拍、皮膚電位、視線、行動などの計測データを扱っています。これら計測データから意味のある情報を取り出すには様々な手法が用いられています。ここでは当研究室で開発したツールの紹介をします。開発言語は主にMatlabです。詳しくはこちらをご覧ください。