表彰、イコン、ヒエログリフ、紋章
43. チェーザレ・リーパ『イコノロギア』(ペルージア、1764-67年

 

Cesare Ripa, Iconologia syoshi.jpg (1610 バイト)

       『イコノロギア』は、1603年の挿絵入り版の刊行以降途絶えることなく版を重ね、数カ国語に翻訳された。たとえばフランスでは、ジャン・ボードワン(Jean Baudoin)訳のテクストと、ジャック・ド・ビィ(Jacques de Bie)の銅版画を組み合わせた版が1643年に刊行されるが、この版は原典とは異なり、擬人像を円形のメダルの枠で囲み、6点ずつを1ページにまとめたレイアウトになっている。またアウグスブルクでは、1758-60年にヨーハン・ゲオルグ・ヘルテル(Johann Georg Hertel)考案の銅版画の版が刊行されたが、この版は図版だけでなくタイトルページや索引も全て銅版で版刻したのみならず、単純な寓意像であった挿絵の背景に寓意を説明する神話や歴史のエピソードを描き込んで、全体を物語絵に仕立て上げている。

   1764年に刊行された本書5巻本は、そうした『イコノロギア』の後期の版のなかでも、イタリア語版の最後を飾る大部なものである。本書は、オリジナルの図版とテクストに加えて、チェーザレ・オルランディ(Cesare Orlandi)による'fatti'(寓意を歴史的文脈において具体的に説明するための例)を含んだ増補版である。1614/15年版(no.42)の同じエンブレムと比較してみると、本書のカルロ・マリオッティ(Carlo Mariotti)やオルランディの原画による銅版の挿絵では、擬人像そのものは基本的に変わらないが、'fatti'の役割を果たす背景が描きたされている[1] [2]

 

リーパ『イコノロギア』の他の版: no.42

 

     

 

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