2.死者霊をもてなすかたち(図録)

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▼ Photo1...
霊魂の済度を受ける亡者李素英氏。

霊魂の済度を受ける亡者李素英氏

▼ Photo2 ...
金大禮タンゴッレがチョカマンソクで巫歌を唱える。
これはイエの祖霊、今回の亡者の霊らを一同に会させるためのもの。

金大禮タンゴッレがチョカマンソクで巫歌を唱える

▼ Photo3 ...
ソンニムクッの末尾でチジョンを両手に持ち、上下左右に振りつつ霊の動きを象徴する。

ソンニムクッの末尾

▼ Photo4 ...
帝釈クッ。タンゴッレは座して杖鼓の楽士の方に向かい、
これと対話をするように一連のイエ褒めをしては巫歌を唱える。

帝釈クッ。

▼ Photo5 ...
祖上クッ。今回は頭に包帯を巻き痛々しいようすの婚約者が参席する。
このあと杖鼓、縦笛のうめくような音が緊迫したなかにも哀切な響きをとどろかす。
杖鼓とともに唱えられる合いの手は肺腑をえぐり亡者の霊駕をよび寄せるかのようだ。

祖上クッ。

▼ Photo6 ...
祖上クッ。金大禮タンゴッレが亡者李素英氏の霊前に蝋燭をともしてまわる。

祖上クッ。

▼ Photo7 ...
祖上クッ。金大禮タンゴッレが亡者の写真と霊代を取り、婚約者に抱かせ、
また水を汲んでおき、ここでかたちばかりの結婚式をする。

祖上クッ。

▼ Photo8 ...
コップリの序。ここからシッキムクッの核心儀礼にはいる。
まずコップリに先立って茣蓙の上に亡者の裳、上衣を延べ胸元に霊を安置する。
頭には麹を、そして足下には足袋とゴム靴を置く。

コップリの序

▼ Photo9 ...
コップリ。生前のわだかまった思い「コ」を民俗世界ではこのように表現した。
コは簡単に振りほどけるようになっている。
タンゴッレはコを結んだ布を右手でつかみ巫歌とともに振りつつ解く。

コップリ

▼ Photo10 ...
ヨンドンマリ。タンゴッレは茣蓙ごと衣服を巻く。
そして頭のところに霊を置き、その上に水汲みの容器をかぶせる。
これが死者の新しいむくろとなる。
未婚の者の場合は、一人前ではなく、このむくろを立てることができないので、このまま洗いを施す。

ヨンドンマリ

▼ Photo11 ...
ヨンドンマリ。成人の男女のばあいはこのように立てて、こののちに洗う。

ヨンドンマリ

▼ Photo12 ...
ヨンドンマリ。成人の男女のばあいはこのように立てて、こののちに洗う。

ヨンドンマリ

▼ Photo13 ...
シッキムのあとは霊魂上げだが、その前に、亡者の妹が伽耶琴で散調を演奏し姉の冥福を祈る。

伽耶琴で散調を演奏

▼ Photo14 ...
ノグオッリギ。タンゴッレがチジョンと霊を持ち、亡者の両親のそばにいく。
そして頭の回りを幾度も回旋させてから頭上に霊を置き、これをチジョンですくいあげる。
亡者の霊の飛翔を示すのであろう。

ノグオッリギ

▼ Photo15 ...
ノクプリ。霊の道行を安らかにさせるための呪詞。
ことばの威力で険難の道を無 事、通過するようにと祈願する。

ノクプリ

▼ Photo16 ...
キルタックム。神妙な楽の音に送られて霊の極楽入りのさまが演じられる。
タンゴッレは白い布の上に亡者の服とチジョンを置く。
そして弔いの巫歌を唱えつつ、これらを行き来させる。

キルタックム

▼ Photo17 ...
キルタックム。白い布の上での動きがしばらく止まったあと、
タンゴッレはのどをふりしぼり、下直(別れ)を告げる。布の橋が床におろされる。
亡者の父親が立ち上がり布橋の上に一万ウォン札を並べていく。
これがむすめへの最後のもてなしになる。


▼ Photo18 ...
あとのまつり。祭場の外に出て雑神たちへの供養をするとクッが終わる。


▼ Photo19 ...
霊は螺旋を描いて飛来する。慶尚道のオギクッ。
シッキムクッではこれがかなり様式化されて表される。


▼ Photo20 ...
済州島の仏道婆さんの来臨のもよう。
やはり霊は大きく螺旋を描いてやってくる。(金秀男氏撮影)


▼ Photo21 ...
仏寺でおこなわれる霊山斎のなかでは独特の灌浴儀礼がみられる。
シッキムとの影響関係があるとすれば、こちらのほうがもとではないだろうか


▼ Photo22 ...
慶尚南道、慶尚北道のオギクッあるいはオグクッでは、
オグ大王とその子捨てられ姫の叙事巫歌がかなり長くかたられる。
慶尚北道盈徳郡柄谷。


▼ Photo23 ...
オギクッの末尾では霊の極楽入りにあたって
模造の花や竜船などを用いてはなやかに道行が演じられる。
霊はとにかく船に乗って海の向こうに去っていく。慶尚北道盈徳郡柄谷。


▼ Photo24 ...
京畿道のチノギクッでは叙事巫歌捨てられ姫が語られ、
さらに、それに扮した巫女が実際に霊を先導して祭場を巡る。(金秀男氏撮影)


▼ Photo25 ...
チノギクッでは霊が布橋を渡ったあと、これを裂き、
最後に巫女が死者霊の口をおろして遺族に霊の語りをする。(金秀男氏撮影)


▼ Photo26 ...
済州島の十王迎え。
道ごしらえとそのなかでのあの世の差使の十二門開きの部分は他の死霊祭にはみられない。
死者の霊はこれらの門を通過してはじめて済度される。


▼ Photo27 ...
あの世への道行にあたる門クッ。
咸鏡南道咸興付近でおこなわれていたマンムックッの後半、
霊のあの世入りに際してみられる。(金秀男氏撮影)


▼ Photo28 ...
平壌でおこなわれていたタリクッ。14ほどの儀礼からなる。
あの世の使者が登場する使者クッでは使者の滑稽な演戯も挿入される。
念仏とともに巫女や家族らが祭場を円く巡るタリッパルセギョンは霊の道行の開始。(金秀男氏撮影)


▼ Photo29 ...
霊山斎では庭に巨大な仏画が掲げられる。
この法会の場には死者の霊がよばれ、洗い浄め(灌浴)がある。
そののちに、新しい衣を着せて釈迦の説法の場に臨ませる。


▼ Photo30 ...
葬礼の場で霊魂の再活性化を演戯するタシレギ。
その「居士・社堂あそび」。ここでの居士は盲人。妻の社堂は身持ちが悪い。
今産み月になっていて子どもを生みそうになるが、
盲人の夫は向かい村の家で出産があるとて、お経読みによばれていく。
そのすきに坊主がやってきて「おなかの子は元気に育ってるか」と社堂にいう。



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