目連戯の伝承(三殿超度の映像)
                                                       野村伸一

  


坂尾村の三殿超度

北極殿の三殿超度


 内容 (全4分33秒)

 映像1. 福建省莆田市忠門鎮坂尾村。2001年11月24日。傀儡戯。 (2分36秒)
 目連、三殿に到り、獄門を開ける。
 目連は十殿に到って母劉氏に出会う。母の前に烏飯(ウーファン)が置かれるが、母は欲念を断ち切れず、飯は炎となって食べられない。しかし、目連の力で劉氏は救済される。

 映像2. 福建省莆田県黄石鎮北極殿。2001年11月25日。人戯。 (1分57秒)
2001年11月23日から25日にかけて、莆田県黄石鎮清江村の北極殿では、新築した廟の竣工記念に3日間の目連戯を演じた。それは莆仙戯太陽升劇団による人戯であった。
三殿超度の場面では大勢の人が見守るなか、病死、事故死などの不慮の死を弔う救済儀礼がおこなわれた。家族側は老人から子供までいて、真率そのものである。これこそが本来の超度儀礼であろう。舞台の脇には無常鬼(白無常)が安置されている。


 参考文献
 野村伸一編著『東アジアの祭祀伝承と女性救済』、風響社、2007年の第一部概説篇事例1、5および図版。

  関連  目連戯中の観音と劉氏(2002年南安草亭寺の映像1分48秒)
       楓亭目連戯の三殿超度と観音掃殿(2001年の映像4分39秒)

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