3.オグクッの映像

慶應義塾アジア基層文化研究会:オグクッ

3.オグクッの映像

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ビデオ１
内ピナリ。巫女が男女の霊魂二体（白紙で切り抜いたもの）を衣服のなかにこめる。
ビデオ２
内ピナリ。巫女が祭膳に向かい鉦を速い調子で叩きつつ唱えごとをし、クッの挙行をイエのカミや祖先に知らせる。
ビデオ３
不浄。全員でにぎやかに楽をかなで、不浄を退散させる。単に不浄をはらうのではなく、不浄もまた霊格であり、これを済度することでこの世の不浄を免れると考えている。
ビデオ４
コルメギ。地域の守護神コルメギ神をよび迎える。まず天幕の内でコルメギに向かって、今日、Ｋさん宅でクッがあることを告げる。
ビデオ５
コルメギ。故人の霊が祭場のなかにはいってくる。巫堂は故人の立場に立って「うちのお母さん、うちの父さんよ」とよびかける。コルメギの段ではいつも、死者の霊がこうしてはじめのあいさつをする。このとき、家族からはさかんに泣き声が漏れる。
ビデオ６
請魂クッ。全員ソトに出て、故人の霊をよびまねく。このとき、ソトでも膳を用意する。担い手は金長吉男巫である。白装束にコッカルをかぶり、手には鉦を持ち僧のいでたちである。方角は南、釜山の方に向かっている。
ビデオ７
請魂クッ。男巫は、祭場の位置を告げ、死者の本貫（始祖の本拠地）姓名をよばう。
ビデオ８
霊魂の結婚式。祭壇の前に小さな膳が置かれる。故人の弟が新郎の代わりをする男の人形を抱く。一方、巫堂が新婦側を代表して、献酌の儀を進める。幾度かの杯のやりとりはすべて実際の結婚式と同じように進められる。
ビデオ９
祖上クッ。巫女が男巫の奏でる杖鼓の絶妙な音色に合わせて、故人のイエの祖先にあたる霊を次々とよぶ。
ビデオ１０
祖上クッ。巫歌のあとでは、巫女により「僧打令」がうたわれる｡
ビデオ１１
祖上クッ。祖霊たちの最後には故人の霊もよびおろされる。これはシンテチプに載せられて家族の前に飛来する。
ビデオ１２
招亡者クッ。巫女が故人の霊をよびおろし慰撫する。オグクッのうちでも、もっともだいじなクッの一つとされる。巫歌のあとで、巫女は故人の霊を巻き込んだ茣蓙を持って舞う。ここで明らかに霊が降りてくる。
ビデオ１３
ノットンイクッ。巫女が将軍や故人の霊をクッの場によびいれる。悲嘆にくれる遺族の前に偉丈夫をおもわせる将軍が出現し、力づける。巫女は将軍の力を身に負い、ノットンイ（真鍮製の容器）を口にくわえて人びとのために祈願をしてみせる。
ビデオ１４
パリテギ。発願クッともいう。巫女は後頭部に大きな花のかんざしを着けて立つ。杖鼓の金長吉男巫と向き合い、息の合った間合いで長編の巫歌を演じていく。
ビデオ１５
パリテギ。はじめは、ききいっていた家族たちも、巫歌が進むに連れてほとんどは横になって寝ている。冷え込む深夜、まったく孤独な時間帯である。しかし、この巫歌こそは霊への供養なのだろう。午前１時半からはじめて、終えたのは午前４時少し前。
ビデオ１６
シム念仏。男巫による念仏。コッカルをかぶり僧のいでたちである。うたうようにかたるように杖鼓をたたきながら１時間余りつづける。
ビデオ１７
降神ノルム。この段ではふつうは死者霊がシンテチプに霊が降りてくる。しかし、今回のばあい、伯父や父親、姉がシンテチプをつかんで降霊を待ったが、何の反応もなかった。それで金美香巫女は霊を降ろすことをあきらめ、霊魂の引き起こしをした。
ビデオ１８
降神ノルム。再度、降神ノルムをした。このとき近所のお婆さんがシンテチプをつかむと、感応があり神籠は震えだした。このとき、脇にいた姉が激しく声を立てて泣き出した。すると、巫堂は、故人の立場になって「忘れなさい。姉さんにはまちがいなど一つもないよ。…ぼくはいくよ、姉さん、泣かないで、すまながることなんか何もないよ」といってなだめる。
ビデオ１９
パン念仏。男巫が「地獄歌」を唱える（ビデオ１）。誕日歌は終始、静かに唱えられたが、この地獄歌は舞も含まれかなり演戯性が濃い
ビデオ２０
花の唄。夜はすっかり明けてここから連続的に四つ、唄のクッがつづく。オグクッも仕上げにはいった感じで、諸種の儀礼を施された霊魂があの世への橋の直前まで歩いていくかのようである。ふたりの巫女が両手に花を携えてうたいつつおどる。
ビデオ２１
船の唄。宋明姫巫女がうたいつつ竜船に結んだ白い布をたぐる。かたわらでは賓順愛巫女が船が誤りなく極楽に向かうようにと祈願しつつおどる。このとき家族側からも人が出てともに白い布を引く。故人と新婦の霊魂は船に乗りあの世入りする。
ビデオ２２
草籠燈の唄。二人の巫女がそれぞれ両手に灯篭をかたどったものを携え、はなやかに対舞する。
ビデオ２３
燈の唄。巫堂は、故人の霊の立場に立ち、あの世入りにあたっては路銀が必要だといって家族のだれかれからカネをもらう。この段階になると、こわばっていた家族の表情もかなりなごんでいて、軽い笑みもこぼれる。そのようすはさながら芸能舞台である。巫女は燈を頭上に掲げて全体のクッの最後とばかり思い切りよく舞う。
ビデオ２４
道を裂くこと。祭壇の前に白い布が橋のように張り渡される。この上を巫女にみとられつつ故人の霊の形代と花が通過していく。あの世へとつづく白い道を越えていくこと、つまりこの世との断絶という意味だろう。男巫の杖鼓と「下直だ、下直だ」の声がよく響く。ハジクとは「お別れ」の意味である。
ビデオ２５
コリクッ。雑鬼雑神への施し。このあと全員がソトに出て、祭壇の飾りの類いをすべて焼却する。

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