慶應義塾アジア基層文化研究会:オグクッ

2.オグクッの図録

【図1】慶尚北道のオグクッ。祭儀のはじめに霊代を死に装束のなかにこめる。 【図2】オグクッは庭でおこなうが、その前に内ピナリがあり、祖霊にクッの挙行を知らせる。
【図3】コルメギ(地域守護神)をよぶときは丈の長い神竿を用いる。 【図4】オグクッの請魂クッ。僧のいでたちでタマヨバイをする。
【図5】タマヨバイにはトリを用いるのが習いである。トリが霊魂を運ぶという観念は東アジアでは広くみられる。 【図6】一年前、故人の祖母がイエのすぐ前のところで倒れて死んだ。そこで、その場に膳を用意してタマヨバイをし、今回のオグクッの場にともによび招く。
【図7】霊魂の結婚式。故人の弟が亡骸を象った人形を抱える。 【図8】霊魂の結婚式では現実の式次第に沿って献酌、拝礼をおこなう。
【図9】式のあといったん両人は祭壇に居並ぶ。背後にはオグ大王夫婦とパリテギの図像が掲げられている。パリテギは死者の霊をあの世へ導く役割をする。 【図10】オグクッの祖上クッ。賓順愛巫女があそびの雰囲気をかきたてる。
【図11】オグクッでは故人の霊の来臨はシンデチプ(神籠)を通して表現される。巫女はこの神籠を持ってしなやかに舞う。 【図12】招亡者クッ。巫女が故人の霊を込めた茣蓙を持って舞う。
【図13】ノットンイクッは慶尚北道のクッではよくみられる。将軍霊の力を身に受けた巫女がノットンイをくわえて霊力を誇示する。 【図14】ノットンイをくわえてみせた巫女が次に家族側の者(弟)を座らせて祝福する。
【図15】祭壇にいてクッをながめていた新郎新婦が床入りする。模造ではあるが布団もイエも準備する。 【図16】パリテギ。深夜、冷え込むなかで巫女は杖鼓の伴奏にあわせて長い巫歌「パリテギ」を唱える。霊魂の済度の前提であり、きく者がいなくとも粗漏なく唱えなければならない。
【図17】シム念仏。金長吉男巫はヤンジュンとしても卓越した力量を持つが、念仏の唱えごとも味わい深くやる。 【図18】霊魂の引き起こし。霊魂を象徴する白い紙を花で掬い上げる。シッキムクッでも似たようなことがおこなわれる。自由に飛翔する霊魂というのが本来の姿のようだ。
【図19】降神ノルム。なかなか降りてこなかった故人の霊がようやくやってきて姉と対話する。巫女はその対話の取り持ち役だが、霊の立場に立って口をきくこともある。 【図20】パン念仏。誕日歌と地獄歌が唱えられる。地獄歌では踊りも交える。
【図21】霊魂のあの世入りを助けるための花の唄。 【図22】船の唄。ここでは実際に竜船が引かれる。霊魂は海のかなたに去るということだろう。
【図23】草籠燈の唄。草籠燈は霊魂のあの世への旅路を明るく照らすためのもの。 【図24】燈の唄の末尾は燈載せ。霊魂は存分にあそんてからあの世入りする。
【図25】オグクッの末尾、「道を裂くこと」。これで霊魂のあの世入りが決定される。


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