年代記・歴史書
67.エドマンド・ギブソン『サクソン年代記』(オックスフォード、1692年)

 

Edmund Gibson, Chronicon Saxonicum syoshi.jpg (1610 バイト)

   オックスフォード大学クイーンズ・コレッジのエドマンド・ギブソンは、1695年にウィリアム・キャムデン(William Camden)のイギリスの地誌『ブリタニア』(Britannia, 1586)の改訂版を刊行したが、それに先だってオックスフォード大学で、最初のアングロ・サクソン語の文法書(Institutiones Grammaticae Anglo-Saxonicae et Meso-Gothicae)1689年に出版したジョージ・ヒックス(George Hicks)に師事して、アングロ・サクソン研究に従事していた。本書は、ラテン語訳と注、年代順の索引を付した『アングロ・サクソン年代記』の校訂版である。6世紀後半からノルマン征服までの年代順の記録である『アングロ・サクソン年代記』については、Abraham Wheelockがコットン文庫およびケンブリッジのコーパス・クリスティ・コレッジ所蔵の写本から刊本を作成していたが、ギブソンの版は、未刊行の写本を追加して校合した、より本格的な校訂版である。

   アルフリック(Aelfric)の古英語のエピグラムが印刷されたタイトルページには、出版元であるオックスフォード大学のシェルドニアン・シアターをデザインした銅版画[1]が印刷されている。またアングロ・サクソン期のブリテン島を示す地図[2]では、アングロ・サクソンの書体が使用されている。

 

     

 

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