Graduate Seminar in Theatre Studies at Keio University

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裏切りのドラマとグラン・ギニョール劇場
ハイナー・ミュラーの革命演劇『指令』
Das Drama des Verrats und das Theater des Grand Guignol.
Heiner Müllers Revolutionsstück „Der Auftrag"

 

ジーゲン大学名誉教授・慶應義塾大学元教授のラルフ・シュネル先生を慶應義塾大学三田キャンパスにお招きして、 ハイナー・ミュラーの戯曲をテーマにした研究会を開催いたします。 研究会ではシュネル教授による講演と、参加者を交えてのディスカッションを行います。
奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。


研究会の内容と作品紹介
 1979年に東ドイツで発表されたハイナー・ミュラーの戯曲『指令』には「ある革命への追憶」という副題がついている。 この戯曲には、戦後の東ヨーロッパに影を落としたスターリン主義の問題、フランス革命がもたらした西インド諸島の奴隷解放運動、ナポレオンが皇帝となったことによる解放運動の挫折が反映されている。
 あらすじは次の通りである。3人のフランス政府の工作員が革命政府の「指令」を遂行するため、イギリスの直轄植民地であるジャマイカの奴隷解放運動を推進し、イギリス政府への反乱を画策する。 しかし、彼らが植民地政府を転覆させる任務を遂行するさなか、革命が起きたフランスではナポレオン独裁色を強めてしまう。 「指令」は任務遂行の意義を失い、ヨーロッパの「進歩主義」が主導した「普遍的」な「世界史」という理念は幻想にすぎなかったことが明らかになる。
 本研究会では、この作品の成立関係の概略を確認した上で、「裏切り」という根底にある問題をグラン・ギニョール劇場の伝統から明らかにする。 また参加者とともに、ミュラーのテクストの一部を読んで議論を行うことも予定している。

 

Flyer(ドイツ語案内あり)

 


講師: ラルフ・シュネル氏(ジーゲン大学名誉教授・元同大学学長、元慶應義塾大学教授)
日時: 2018年4月2日(月) 17:30 ~ 19:00
会場: 慶應義塾大学三田キャンパス 大学院棟312
司会: 平田栄一朗(慶應義塾大学文学部教授)
主催:  慶應義塾大学文学部独文学専攻・科研プロジェクト「越境文化演劇研究――異他の視点からの演劇文化論」

*本シンポジウムはドイツ語で行われます。
*予約不要