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慶應義塾大学文学部 史学系 日本史学専攻
Department of Japanese History, Faculty of Letters, Keio University

イントロダクション

日本史学へのいざない

 日本の小学校・中学校・高等学校を卒業した方であれば,日本史は必ず勉強した経験があるでしょう。しかし,日本史は「暗記科目」のイメージが強く,「1467年 応仁の乱」を「人(1)の世(4)は虚(67)し」などと語呂合わせで覚えた方も少なくないでしょう。こうした試験勉強の日本史と,本専攻で専門的に学ぶ日本史学は異なるものです。
 そもそも教科書はどのように作られるかを考えたことはあるでしょうか。日本史の教科書は日本史研究の成果を土台に作成され,日本史研究は①史実の解明,②歴史像の構築から成り立っています。①史実の解明とは,「いつ・どこで・誰が・何をしたのか」を新史料の発掘と史料の分析から明らかにする作業です。そして,解明された史実間の因果関係を明らかにし,②歴史像の構築に挑みます。

【日本史研究の史料(例)】
 <傍示堂村文書
(慶應義塾大学文学部古文書室所蔵)
 

 <花井家文書
(慶應義塾大学文学部前田研究室所蔵)
 

 日本史研究は地道な史料の発掘と丹念な史料の分析に依拠し,過去の国内外における様々な事象間の関係を理解していく総合的な学問です。本専攻には日本史研究の分野で古代史・中世史・近世史・近代史をリードする研究者が在籍し,充実したカリキュラムと研究環境を提供しています。本ページをご覧の受験生の方,そして進学専攻を検討している文学部1年生の方は,是非とも日本史学専攻へお越し下さい。皆さんの研究から未だ誰も知らない史実が発見され,日本史像を大きく変えるかもしれません。そのような知的興奮を味わえる環境が本専攻にはあります。


概要

  • 沿革

 慶應義塾は1890(明治23)年に大学部を設置し,同年から文学科で「歴史」の講義が始まりました。日本史学専攻は以上の講義を嚆矢とし,130年以上の伝統を有する専攻です。文学科設置の「歴史」はドイツ出身のL・リースが担当し,リースから教えを受けた田中萃一郎が1904(明治37)年より専任教員として「国史」を担当しました。1910(明治43)年に文学科は文学・哲学・史学の3専攻へ分化し,1928(昭和3)年には国史学科が設けられました。国史学科は日本古代史・日本中世史・日本近世史の多様な研究を展開し,1938(昭和13)年には文学部史学科国史学専攻となりました。1949(昭和24)年の新制大学発足以降も本専攻は国史学専攻として存続し,1981(昭和56)年からは日本近代史まで研究の射程を延長しました。1992(平成4)年には国史学専攻から日本史学専攻へ改称し,現在は日本古代史2名(十川陽一 准教授藤本誠 准教授)・日本中世史1名(中島圭一 教授)・日本近世史2名(浅見雅一 教授上野大輔 准教授)・日本近代史2名(小山幸伸 教授前田廉孝 准教授)が専任教員として多彩な研究・教育活動を展開しています。
※以上の記述作成に際しては,三宅和朗「日本史学専攻の歴史:基本姿勢の継承と研究・教育活動の発展」慶應義塾大学文学部創設百二十五年記念編集委員会編『慶應義塾大学文学部創設百二十五年』慶應義塾大学文学部,2015年,84-85頁を参考にしました。

  • 教育方針

 日本史学専攻では,歴史学を中心として広くさまざまな分野の学問の方法を学びつつ,通時代的な歴史像の把握に向けて日本史全般に関する知識の修得に努めます。また,史料から歴史情報を引き出すための基礎的能力を養うとともに,その成果を論理的に構成して発表することができる能力を磨きます。
 日本の歴史に対する理解を通じて培った,人間の営みと社会の動きに対する視野と洞察力を併せ持つことで,社会人,研究者,教育者として,社会に対する独自の貢献ができる人物を育成します。
 日本史学専攻には,古代から近代まで,合わせて7人の専任教員がおり,キリシタン史を含め特色のある研究・教育を行っています。学生は古い時代から新しい時代まで,また方法論的にも多面的に学習することができます。
※慶應義塾大学文学部websiteより転載
(https://www.flet.keio.ac.jp/academics/japanese-history/index.html)。


  • 史学共通研究室2

 三田キャンパス研究室棟2階の史学共通研究室2には基本的な史料群や日本史関係の辞典類を網羅的に配架し,授業などに活用しています。授業が行われていない時間には,日本史学専攻の学生も自由に利用できます。


  • 在籍者数

 日本史学専攻の在籍者数(2~4年生)は100人前後で推移し,2010年代からは漸増傾向を示しています。なお,本専攻における2年生進級時の受入人数は70名が上限です。


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連絡先

慶應義塾大学文学部
       史学系日本史学専攻
〒108-8345
東京都港区三田2-15-45

Mail:
「教員・研究紹介」より
  各教員の「研究者情報DB」参照
FAX:
+81-3-5427-1578


※)4月・10月に定期更新します。
最終更新日: 2023年11月12日